technology

テクノロジー

電気炉で効率的に
高品位鋼をつくる技術

電気炉による製鉄法は既に還元されたスクラップを活用することから、CO2発生量を抑えることができ、加熱に必要な電気をグリーン電力とすることができればカーボンニュートラルを達成できる可能性があると言われています。しかしながら、必要なスクラップを十分に調達できなければ実現することはできません。また、スクラップには鉄以外の金属元素などの不純物が含まれており、鋼材の特性を低下させることが知られています。
そこで本事業では直接還元法で製造される還元鉄を電気炉で溶解し、高級鋼を製造する技術の開発に取り組みます。電気炉は高炉に比較して、生産性が低く、特に直接還元法で製造される還元鉄は溶解に時間がかかると言われています。本事業では不純物(りんや窒素など)の対策および還元鉄の効率的な溶解に関して検討していきます。

2.水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発②直接還元鉄を活用した電炉の不純物除去技術開発

  • 2030年までに、低品位の鉄鉱石の水素直接還元鉄を活用した電気炉プロセスにおいて、自動車の外板等に使用可能な高級鋼を製造するため、大型電気炉一貫プロセス(処理量約 300 トン規模)において、不純物(製品に影響を及ぼす成分)の濃度を高炉法並み(リン 150ppm 、 窒素40ppm 以下)に制御する技術を実証
  • 要素技術開発および小型試験電気炉・炉外処理炉(処理量 3トン ~10トン規模)での検証
  • 大型試験電気炉・炉外処理炉(処理量約 300 トン規模)における実証実験
※図を拡大して見ることができます。
  • 日本製鉄(株)波崎研究開発センターに小型試験電気炉(10t)建設
    2024年度試験開始:還元鉄高速溶解,精錬効率向上
  • JFEスチール(株)東日本製鉄所千葉地区に小型試験電気炉(10t)建設
    2024年度試験開始:還元鉄予熱,炉内熱付与
  • (株)神戸製鋼所高砂製作所において小型商用炉(20t)改造
    2022年度試験開始:還元鉄溶解技術の開発

※実施時期は全て予定

2.水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発③直接還元鉄を活用した電気溶融炉による高効率溶解等技術開発

  • 2030年までに、低品位の鉄鉱石の水素直接還元ー電気溶融炉ー転炉一貫プロセスにより、高炉法プロセスを代替し得る生産効率(銑鉄生産量100トン/時間以上)を実現するとともに、生成する鉄の不純物の濃度を高炉法並み(例えばリン 0.015% 以下)に制御する技術を実証する。また、電気溶融炉において副生するスラグを国内セメント用途向け品質(高炉同等品質:例えば酸化鉄3% 以下)に制御する技術を実証。
  • 要素技術開発および数値解析による予備検討
  • 実証試験炉(炉径10m規模)での実証試験
※図を拡大して見ることができます。
  • 日本製鉄(株)に実証試験炉を建設
    2026年頃実証試験炉稼働開始

※稼働時期は予定

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