technology

テクノロジー

水素を使って鉄鉱石を
直接還元する技術

天然ガスを使用した直接還元製鉄法は中南米、中東などの天然ガスが安価な地域において実施されており、2020年時点では世界で年間約1億トンが生産されています。ガス還元材を使用していることから、水素への置き換えが可能と考えられていますが、鉄鉱石の水素還元が吸熱反応であることなど、プロセス上の課題が多く存在します。
本事業ではシャフト炉での水素による直接還元製鉄を実現するための方策に関して検討していきます。

2.水素だけで低品位の鉄鉱石を還元する直接水素還元技術の開発①直接水素還元技術の開発

  • 2030年までに、低品位の鉄鉱石を水素で直接還元する技術により、中規模直接還元炉(実炉の1/25~1/5規模)において、現行の高炉法と比較してCO2排出量の50%以上削減する技術を実証
  • 要素技術開発および小規模試験シャフト炉(1t/hr)での検証試験
  • 中規模直接還元炉(実炉の 1/25~1/5 規模)試験による実証実験
  • 日本製鉄(株)波崎研究開発センターにおいて小規模試験シャフト炉(1t/hr)建設※2025年度試験開始予定
  • JFEスチール(株)東日本製鉄所千葉地区において小型ベンチ試験炉建設※2024年度試験開始予定

本事業での取り組み①:シャフト炉における水素直接還元技術

既存シャフト炉 水素還元シャフト炉
還元材 天然ガス 水素
H2濃度 60〜80% ~100%
熱供給 天然ガス・排ガス燃焼
による還元ガス温度制御
水素外部加熱等
による還元ガス温度制御
原料 高品位ペレット 低品位原料

水素のみで酸化鉄を還元する技術開発にチャレンジ
低品位鉱石を利用できる水素還元プロセスを柱としたシャフト炉と電気炉の一貫操業製鉄技術の確立
⇒資源自由度の拡大による競争力の確保

日本製鉄 波崎研究開発センターに小規模試験シャフト炉(1t/hr)建設、2025年より試験開始予定

水素還元シャフト炉のイメージ

従来シャフト炉にはない
柔軟な鉄源品位対応力:低品位原料の利用を志向

本事業での取り組み②:カーボンリサイクル(CR)シャフト炉技術

  • メタネーション反応を利用して、カーボンをプロセス内で循環再利用することで、水素還元の課題を克服
東日本製鉄所千葉地区において小型ベンチ試験炉建設・2024年度試験開始予定
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